東大試験官に、アポなし突撃面会
どうすれば試験に受かるのか。
どんな受験生が合格するのか。
試験官が、どういう基準で試験を審査するのかが分からないと、的外れの戦略・勉強法を採ってしまうことにもなりかねません。
一番良いのは、直接、試験官本人に聞くことです。
もちろん、そんなことは、なかなか容易ではありません。
そこの学生でない外部者なら、なおさらのことです。
いきなり押しかけても、拒絶される可能性もあります。
しかし、かつて、私は、外部者であるにも関わらず、いきなり、アポなしで、直接、東大教員に、試験のことについて聞くため、乗り込んだことがあります。
今考えても、この突撃レポートは、危うく、やりすぎだったと思います。
乗り込まれた教員も戸惑われたでしょう。
通常なら、紹介状やアポを取るのが常識だというのも分かります。
しかし、そもそも、私に東大教員への紹介状を書いてくれる人などいませんでした。
悪評判が漂っていれば、逆に、もし依頼すれば、紹介状どころか、指名手配となる可能性も高いと思われました。
また、アポイントメントを取ろうと等の教員に接触しても、断られたら、そこで終わりです。
誠意をもって、アポイントを取ろうとしたことが、逆に仇となってしまいます。
大した肩書も実力もない、何者かも不明な、いかにも怪しげな私の訪問を受け入れてくれる可能性も極めて低かったと思われたので、いきなり乗り込んだわけです。
私にとって、東大受験は、それほどの非常事態でした。
よって、試験概要聞き込みの際も、非常手段である、侵入、侵攻的行動をとりました。
一応、学問目的の建造物内立ち入りですから、不法侵入ではないと思われます。
結果的に、私の突撃取材は成功しました。
偶然性によるものも多かったでしょう。
もしかしたら、あまりに思い詰めた私の様子を見た東大教員が、断ったら、危害を加えられると思ったのでしょうか。
以下、かつて、試験官の東大教員から直接聞き出した、東大学士入学試験における選考事情の一例です。
東大学士入学の難易度、募集人数「若干名」意味合い
試験官たる東大教員に直接聞いたところ、学士入学試験の募集要員は、年々異なるということです。
大学側の事情によるからという説明でした。
他大学と異なり、東大は、独特の「進学」制度を持っています。
東大でいう「進学」とは、東大1、2年生の教養学部性が、3年の専門分野に進むことを言います。
通常、駒場から本郷に移ることが多いです。
この東大の進学、専門分野決定は、まずは学生たちの希望によります。
学生に人気のない学科は、欠員がたくさんできるわけですから、この際に、学士入学の枠ができるという訳です。
学士入学試験の募集人数は、若干名とされることがよくありますが、これは進学状況という偶然性に左右されます。
どんなに優秀でも、すでに枠が埋まっていれば、学士入学試験に合格することは困難となります。
また、東大では、就職、進学等、いろんな理由で留年者が多く、他学部を卒業する4年生からの学士入学受験者さえもが結構います。
この場合、学士入学試験は、当然、身内たる学内の東大生優先ということを、当の試験官である東大教授から聞きました。
一方、私のような、外部の者は、テストで満点、しかも面接で完璧な事を提示しなくては、特に今回は合格困難だと告げられてしまったのです。
ただ、大学院の方は、比較的、東大以外の外部にも開けているということです。
それでも、既に修士を終えた実績ある者や、海外からの帰国組もが受験きて、相当にレベルの高い争いになるということです。
大学院試験においても、完璧な提出論文を要求されるらしいです。
いろいろ、試験事情を聞いたところ、東大以外の者に対して、より閉鎖的な学士入学試験はもちろん、東大以外の者に比較的寛容な大学院試験においても、合格は困難だと分かりました。
特に、人気があって、進学希望学生が多い専門分野は、競争が厳しいということです。
逆に、狙い目は、人気がないジャンル、専門を研究しようとする受験生は、採ろうとする傾向にあると説明されました。
もちろん、人気のない、その担当の教員がいることが、条件になることが多いらしいです。
ここでも、学生ではなく、教員の都合で、合否が左右されるということです。
もちろん、各学部、学科によって、事情は違うでしょうし、年によっても異なるでしょう。
受験情報、合否傾向は、その都度、自ら直接、現場に出向いて、情報を取得しても良いかもしれません。
私が得た、以上のような情報も、専攻、年度によっても、変わってくることを断っておかねばなりません。
運や偶然性をも受け止めた長期的視野での挑戦
受験を志しても、合否事情を聞けば、絶望することもあります。
当時、東大学士入学試験への道が、ほぼ閉ざされていると知った時、私も大変な逆境に陥りました。
人生を閉ざされた思いでした。
夢絶たれ、まさに絶望でした。
すぐには、立ち直れませんでした。
思い悩んでいる間にも、時間は経ち、若さはどんどん失われていきます。
仕事を削って、勉強時間に費やしているので、金もどんどん減っていきます。
終わった感じでした。
しかし、もう後戻りはできません。
何とか、立ち上がって、希望を見つけ、戦いを続けていかねばなりません。
貴重すぎる、残された若い日々を犠牲にしながらも、希望のない勝負に賭け続けていく辛さは、今思い出しても、ぞっとする思います。
困難な試験に立ち向かうとは、こうした、絶望の中での戦略練り直しの連続でもあります。
挑戦者と認められ、タイトルを取るには、実力はもちろん、偶然性や運も重要です。
本気で挑戦するつもりなら、長期計画で、何度も挑戦する覚悟も必要だと思われます。
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