大学院、編入学、学士入学試験に合格するためのドイツ語テキスト選び概略

東大に横入りする方法

別記事でも紹介しましたが、
実際に、私が購入・使用し、
結果、東大をはじめとした、複数の国公立大の学士入学、大学院試験の合格に至った、具体的テキストを紹介したいと思います。

受験勉強全体の戦略、勉強の順序、勉強時間と量、日々の過ごし方、受験当日、その他の興味深い話等についても、可能な限り、今後、順次書いていきたいと考えています。

辞書

辞書は、所持が当然の前提ですので、
本当は、ナンバリングを、
0としたいところです

私は、初級用と上級者用の2冊を併用していました。

まず、初級用辞書については、自分に合うものを選んでください。
感覚も含みます。
色、自体、字の大きさなど、見やすいもの、好ましいものを選ぶと良いです。

ただし、例文の多い辞書が良いでしょう。

私は、クラウンの辞書を使用しました。

●クラウン独和辞典 第5版 三省堂 2013


勉強が進むと、上級者用の定番辞書を使うことになりますが、これは、ある程度、勉強が進んでからの話となります。

最初から、本気でドイツ語に取り組むつもりなら、初期段階で、上級者用を買っておいても良いでしょう。
私も、初期段階から購入、使用しました。

●独和大辞典コンパクト版 〔第2版〕小学館 1999年


この独和大辞典は、初級辞書の辞書として使うこともできます。
つまり、
初級辞書に載っていない語や、
単語自体が載っていても、意味用例の載ってない例文を上級者用辞書で調べます。

私が実際に使用してみて、受験勉強に関する限り、この上級者用辞書には、大体の語、事例が載っていました。
例文も網羅的です。
もし載っていなければ、他の受験生もできないので、過度に気にする必要はなし、と割り切りましょう。

入門書、初級テキスト

まず、参考書やテキストは、全般的に、解説が多いものを選ぶと良いでしょう。
解説が詳しいと、理解が深まります。

また、辞書同様、自分に合うものを選びましょう。
テキストにも、どうしても相性があります。

余裕があるなら、定評のあるテキストと、自分に合うテキストを併用し、段階に応じて重点を移していけば良いのですが、財政的事情等、買って無駄ということにもなりかねません。
まずは、書店や電子図書で、内容を見てから選択すべきでしょう。

私は、文法中心で、内容量も多いものを選択しました。

●関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉 三修社 2005年
https://amzn.to/3N0PUva

●同〈中巻〉

●同〈下巻〉


試験勉強に関する限り、勉強全体、全期を通して、常に、文法について修練し続けました。
最重要です。
全受験勉強期間を通じて、一面では、もっとも苦しく、つまらない作業だったかもしれません。

ただ、優秀でなくても、努力すれば、文法で、ほぼ完全対処できた実感があります。
東大を始め、各国立大学で結果も出ました。
文法は、特に規則的言語であるドイツ語では、有効でした。
それも外国語を不得意とする私のような人間にとっては、決定的に重要で、繰り返しの修練で、苦しんだ分、大いに助けられました。
また、効率的でもありました。

受験勉強全体を通してですが、市販のテキストだけに頼らず、自分だけの文法テキストを創り出すべきです。
その人独特の個性があります。
人によって、どうしても覚えられない箇所も出てきます。

ですから、自分特有の、不得意箇所、重要事項をまとめる必要があります。
より暗記が効率的になるように、自分に合わせた、自分に分かりやすい形で、覚えやすいノート、ファイル等を作るべきです。

熟語・基本動詞 短文・構文

単語自体では、単独で暗記しないことです。
単語は、その都度、文脈によって、意味合いが異なってきます。
辞書の例文、熟語、構文、長文の中で、他の語と共に、意味を捉えましょう

そのためには、動詞を中心とした、熟語、短文、構文のテキストを使用し、暗記していくことをお勧めします。

●藤本淳雄『ドイツ語の入門』 白水社 1990年

古い本なので、購入できるかどうか不明ですが、簡単な構文が掲載されています


●『表現と作文ドイツ重要動詞50』 白水社 1994年


こちらの重要動詞による短文集は、テキストの内容を、
自分が見やすいよう、覚えやすいように、独自の形にして、
ノートに書き写し、繰り返し繰り返し修練しました。
ドイツ語から日本語に、日本語からドイツ語に書き換えられるまでに努力しました。
独作文の能力向上にも、大変役立ったと実感しております。

私にとっては、約束組手のようなものでした。

長文(試験問題程度)

長文のテキストは、受験対象の過去問に相当する長さ、内容の文章が載っているテキストを選択すると良いでしょう。
ある程度の分量があれば、あとはその組み合わせの問題です。
文章の全体像、構造を読み取る訓練をするのです。
また、分からない単語を類推する訓練にもなります。

要は、受験する大学の出題問題に似た傾向の長文が載っているテキストをこなすことです。
私の場合は、
東大の学士入学試験、大学院試験の過去問に対処するため、
散文系・文学系を含んだ長文と、
評論系が多い長文テキストの、
大まかに2種類の長文群をこなしました。

文学系
古本屋等でしか、入手できないかもしれません
●新しい独文解釈法 大学書林 1960年


評論系
●横山靖『独文解釈の秘訣 Ⅰ―大学入試問題の徹底的研究』 郁文堂 1997年


●同『Ⅱ』


過去問に似た長文を読みこなすことは、いわば試合形式の練習のようなものです。

前提として、過去問そのものはもちろん最重要で、入手可能なら、受験勉強の初めに取り組むべきです。
初期段階で全く太刀打ちできなくても、最終目標がどういうものか、知っておく必要があります。

長編小説(約千ページ)と論文(100頁から数百ページの中編)

これは、余裕がある人、または、実力を自認しているのに、合格していない人にお勧めするものです。
ただし、非常に力がつく方法です。

私の場合は、学科試験では、ほぼ満点に近い成績を出せたのですが、
面接等で不合格となったので、
さらに底力を付け、他の受験生との明らかな差をつけ、私を合格させたくない試験官達にアピールするためにやりました。

と同時に、文学的な長編小説については、私の一番好きな小説を訳しながら読みこなしていたわけですから、とても愉快な作業でした。

要は、出題される長文の類型たる文を読むことです。
私の受験した時、小説と評論文の問題が出たから、そうしただけのことです。
もし、時事の記事、会話文が出題されるなら、それに応じた、類した長編、中編ものを読めば良いでしょう。

小説は、別に、元々ドイツ語のものでなくても良いです。
私は、ロシア文学が、ドイツ語に翻訳されている長編を、日本語に訳していきました。
試験問題と類似しているものが良いですが、自分が好きな、読みたい本であることも大変重要です。
日本語訳をすでに読んでいて、内容がある程度分かっているものなら、さらに良いでしょう。
分からないドイツ語、表現が出て来ても、類推で意味が分かるものです。
表現しがたいですが、奥底のドイツ語力が身に付いてきます。

次に、読みやすいものであることです。
むしろ、独文日本語訳の対策では、簡単な文のほうが良いです。
簡単なドイツ語で、豊富な独作文の表現ができるようになるからです。
印象的な文が、頭と身に、染み込んでいきます。
実際、独作文の試験で、ドイツ語風の言い回しを、試験現場で捻り出せました。

合格後に知らされたのですが、私は、大学院の独作文の出来が、当時は、ドイツ人が書いたように、玄妙だったらしく、後に試験官の教員に感心されました。
徹底的な基礎、文法をこなした上に、好きで簡単な小説文を大量に読んだ成果です。

以上、
当ブログ記事を読んでくださり、ありがとうございました。

皆様の御成功をお祈りしています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました